ロゴ制作で最も重要なのは、明確なコンセプトを設計することです。失敗しないためには、企業やブランドの理念を深く掘り下げ、ターゲットや競合を分析しながら、論理的にキーワードを抽出する工程が不可欠です。適切なヒアリングや情報整理を行うことで、コンセプトのブレを防ぎ、伝わるロゴが生まれます。
ヒアリングからキーワード抽出までの手順
効果的なロゴコンセプトは、ヒアリングから始まります。担当者や関係者から企業理念・事業内容・ブランドイメージ・将来像などを聞き出し、ヒアリングシートを活用して情報を整理します。その際は、以下の観点を押さえて進めましょう。
- 企業やサービスの理念、価値観、目指すイメージを明確にする
- 競合他社や市場環境、ターゲット層の特徴を把握する
- ユーザーが求める印象や使い方、顧客体験をイメージする
この段階で抽出したキーワードは、後のデザイン全体の軸になります。
ロゴヒアリングシートの作成ポイント
ヒアリングシートは、下記のような質問を盛り込むと効果的です。
| 質問項目
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内容例
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| 会社やサービスの理念・特徴
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どんな思いやビジョンを持っていますか?
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| ターゲット層
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どのような年齢層・性別・趣味嗜好の方に届けたいですか?
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| 競合・参考ロゴ
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他社や参考にしたいロゴデザインはありますか?
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| ブランドカラー・イメージ
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希望する色やイメージ、避けたい印象はありますか?
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| 使用用途
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ロゴはどのシーン・媒体で使う予定ですか?
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このような情報をテンプレート化し、チームや依頼主としっかり共有することが大切です。
抽出キーワードの整理とコンセプトワードへの落とし込み
ヒアリングで得た多様なキーワードを精査し、重要度や関連性を考慮して整理します。その後、複数のキーワードを抽象化し、一言で端的に表現できる「コンセプトワード」にまとめます。
- 例:「信頼」「成長」「グローバル」など、ブランドの根幹となる価値を表現
- 具体性と抽象性のバランスを意識し、短く覚えやすい言葉を選ぶ
コンセプトワード例・失敗例・やってはいけないポイント
【コンセプトワード例】
【失敗例・NGポイント】
- 抽象的すぎて意味が伝わらない(例:「希望」「夢」だけなど)
- 他社と被るありきたりな表現
- ブランドの強みや独自価値が反映されていない
独自性やストーリー性を持たせることで、印象的で差別化できるワードになります。
ロゴコンセプトシート・説明文の作成方法
コンセプトが決まったら、ロゴコンセプトシートや説明文にまとめます。ポイントは以下の通りです。
- ロゴの核となるコンセプトワードを冒頭で明示
- そのワードを選んだ理由や背景、ブランドとの関係性を簡潔に説明
- デザインがそのコンセプトをどう表現しているか、配色や形状、フォントの意図も記載
例文: 「このロゴは“信頼と革新”をテーマに設計しています。堅実なフォントと、未来を感じさせるシンボルマークを組み合わせることで、企業の安定感と挑戦心を表現しました。」
このような流れを踏むことで、誰が見ても納得できるロゴコンセプト設計が実現できます。